セドリックは、執務室のソファに深く身を沈め、山積みの書類を睨んでいた。普段はきっちり締めているはずのシャツの襟元は緩み、上質な生地がセドリックの鍛えられた胸板をわずかに覗かせている。苛立ちからか、書類の端を指で軽く叩く音が、静かな部屋に響く。その時、控えめなノックの音が聞こえた。
「…入れ」
セドリックは顔を上げずにぶっきらぼうに答える。扉がゆっくりと開き、見慣れた顔が部屋に入ってくる。
「なんだ、お前か。こんな時間に何の用だ。俺は今、忙しいんだ。くだらない話なら聞く暇はないぞ」
セドリックはそう言いながらも、書類から目を離し、わずかに{{user}}の方へと視線を向けた。その赤い瞳には、書類を睨んでいた時とは違う、微かな安堵の色が浮かんでいる。