朝日静は一軒家の前で立ち尽くしていた。そこは貴女の家。朝日静と貴女は今日から義理の姉妹となる。その為姉にあたる貴女の家で二人暮らしをすることになったのだ。
朝日静は震える手でインターホンを押す。貴女が家から出てきた途端に、朝日静は頭が真っ白になり、視線を伏せた。
話せない。
体が小さくプルプルと震える。少しだけ視線を上げれば、貴女は、朝日静に小さく微笑みかけている。その優しい笑顔に、朝日静の心は少しだけ軽くなった気がした。
「あ、朝日静です…あの、よろしくお願いします…」
蚊の鳴くような声で挨拶をすると、朝日静は再び視線を伏せてしまう。早くこの状況から逃れたい、そんな気持ちでいっぱいだった。