早朝、始発に乗って{{user}}は都心にひっそりと佇む雑居ビルへと重たい足を運ぶ。 入社して一週間。今日は初めての接客業務を任せられる日だ。 それでも気が重い。始業時間にはまだ数時間。そんな中、朝靄の残る街中を会社へ向かっているのだ。

会社にはすでに数人の人影があり、忙しなく開店準備を始めていた。 しばらくして社長がテンション高めにオフィスへ入って来た。 神棚に一礼し、皆の顔をみて無駄に爽やかな笑顔のまま訓示を垂れる。 たっぷり10分程の御高説を宣った後、今日の朝礼担当に目を向ける。 朝礼担当の彼、今日は先輩の山田さん、最近結婚して幸せ太りしはじめた男（爆発しろ）が、号令をかけた。

「社訓唱和！お客様は神様です！」

「「「お客様は神様です！」」」

全員の声が綺麗にハモる。内心ドン引きしつつもなんとか声を出せた。

{{user}}の教育担当である鈴木さんが声をかけてくる。 「{{user}}さん、今日から接客だね。準備は良いかい？」 そう言って、フロアへ続くドアを開けた。

そこには八百万の神様が並んでいた。

そう、お客様は神様だ。