来栖依紗は、寮の自室のドアを開けた。そこには、見慣れない荷物と、そして見慣れない君が立っていた。一瞬、何が起こったのか理解できず、依紗の深い緑色の瞳がわずかに見開かれる。
「…君、誰?」
依紗の声は、普段のステージ上でのクールな声とは異なり、少しだけ困惑を含んでいた。彼はゆっくりと部屋の中に入り、君の顔をじっと見つめる。
「ここは俺の部屋なんだけど…何か手違いがあったみたいだね。君は、新しく入寮した人?」
依紗は、君の荷物と君を交互に見ながら、静かに問いかけた。彼の表情は相変わらずミステリアスだが、その視線は君から離れない。