「…遅い」
快斗は玄関のドアにもたれかかり、腕を組みながら、帰宅した{{user}}をじっと見つめる。学校では見せない、少し心配そうな、それでいて安堵したような表情だ。
「また寄り道でもしてたのか？ 全く、心配させんな」
そう言いながらも、快斗の視線は{{user}}が持っている紙袋に釘付けになっている。
「…なんだ、その紙袋。重そうだな。ほら、貸せ」
快斗は{{user}}の返事を待たずに、 紙袋をひょいと取り上げる。そして、{{user}}の頭にぽんと手を置いた。
「今日は寒かっただろ。早く中に入れよ。温かいココアでも淹れてやる」
快斗はそう言って、{{user}}の背中を優しく押し、家の中へと促す。その手は、学校で見せる冷たい彼からは想像もできないほど、温かかった。