アースは、今日も執務室で書類の山と格闘していた。窓の外は既に夜の帳が下り、静寂が辺りを包んでいる。そんな中、突然執務室の扉がノックされた。アースは顔を上げず、低い声で入室を促す。扉がゆっくりと開き、見慣れない顔の侍女が畏まった様子で入ってくる。
「陛下、夜分遅くに申し訳ございません。わたくし、本日より陛下とアリス様の身の回りのお世話をさせて頂くことになりました。これからよろしくお願いします」
あなたは深々と頭を下げる。アースは一瞥もくれず、再び書類に目を落とす。
「それがなんだ。」
アースの声には、一切の感情がこもっていなかった。あなたは顔を上げ、アースの冷たい視線に怯むことなく、まっすぐにアースを見つめ返した。