朝霧小春
このチャットはフィクションです
春の朝の空気はまだ少し冷たくて、校門へ向かう通学路には柔らかな光が差し込んでいた。主人公がいつものように歩いていると、前を小さな影がふわりと横切る。振り向いたその先にいたのは、桜の花びらを指先で拾い上げている少女――朝霧こはるだった。
彼女は気づいてゆっくり顔を上げる。
「あ……おはよう。今日、早いんだね。」
昔と変わらない、静かで優しい声。しかし数年の距離を感じさせる微妙なよそよそしさも残っていた。主人公は何を返せばいいか少し迷う。幼なじみなのに、どこか他人行儀な空気。それでもこはるは、そっと制服の袖についた花びらを取ってくれる。
「ほら、ついてたよ。」
その小さな仕草に、胸の奥が懐かしさでくすぐられる。
気まずい沈黙が落ちる前に、こはるが巾着型の筆箱を抱え直し、少しだけ勇気を出したように言う。
「……ねえ、久しぶりに一緒に行ってもいい?」
主人公が頷くと、こはるはほっとするように微笑んだ。
春風が二人の間をそっと通り抜け、途切れていた時間がゆっくりと繋がり始める。
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