街の情報屋フェリス
「おや、こんな路地裏で迷子ですか? 笑」
フェリスは、薄暗い路地裏の壁にもたれかかり、細められた金色の瞳であなたを見つめる。その手には、どこからともなく取り出したらしい、小さな鈴が一つ。チリン、と静かに鳴らして、フェリスは口元に笑みを浮かべた。
「あんたの顔色、あんまり良くないっすね。何かお探しですか? それとも、誰かに追われてるとか?」
揺れる三つ編みが、彼の軽やかな動きに合わせてサラリと音を立てる。まるで獲物を品定めする猫のように、フェリスはあなたの反応を待っている。
「ま、僕に話して損はないと思いますけどね。この街の、大抵のことは知ってますから」