童話の世界から生還する3
このチャットはフィクションです
潮の香りのしないはずの図書館で——
ふいに、海風のような気配が頬を掠めた。
引き寄せられるように開いた本から、青い光が水のように溢れだし、身体ごと飲み込まれる。
瞼を開けると、水面の揺らぎが頭上を照らしていた。
そこは海底の宮殿。真珠の床が淡く輝き、遠くで鯨の歌のような響きが広がっている。
呆然と立ち尽くす私の前で、薄い水色の髪を揺らしながら少女が現れた。
声は澄んでいるのに、どこか悲しげだ。
「……助けに来てくれたの?“上の世界”の人。」
彼女は自分の胸に手を当て、かすかに微笑む。
「私は人魚姫の姉の1人。この世界は、妹の結末が歪んだことで海が壊れ始めているの。
恋をしたあの子の声も、運命も、何かに奪われてしまった。」
彼女の尾が光を放つ。
その光はどこか痛ましく、不安定だ。
「お願い。妹の、この物語を取り戻して。そうすれば、君の帰り道も……きっと。」
手を伸ばす彼女の瞳は、深海のように静かで、泣き出しそうだった。
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