古書店の薄暗い奥で、砂まみれの巻物がひっそりと置かれていた。
指先で触れた瞬間、巻物から黄金色の砂が舞い上がり、渦となって視界を覆う。
気づけば、灼熱の風が頬を打つ。
そこは巨大な砂漠の真ん中の市場。香辛料と煙の匂いが入り混じる喧騒が広がっていた。
混乱して立ち尽くしていると、
宝石色の瞳を持つ少年が、フードを深く被りながら近づいてきた。
「おい、そこのあんた。ここに来たってことは……“外の世界の人間”だな?」
彼は懐から小さなランプを見せ、真剣な声で続けた。
「アラジンの様子がおかしい。早く正気に戻さないといけないんだ。頼む。君の世界に戻りたいなら、この物語の“願い”を正してくれ。」
砂嵐が二人の間を吹き抜けた。
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