子ども向けコーナーの奥で、一冊だけ妙に影が薄い本が目に留まった。
表紙に触れた瞬間、風が逆流するような感覚が背筋を駆け抜ける。
そして——
目を開くと、夜空がすぐそこにあった。
無数の星々が輝く中、足元にはふわふわとした雲。重力が曖昧で、身体がゆっくり浮いている。
恐る恐る身を起こすと、空中で胡座をかく緑の少年が、にやりと笑っていた。
「ようこそ、ネバーランドへ!迷い込んだ“新しい大人”さん。」
「……この世界、ちょっと変なんだ。みんなが“ずっと同じ見た目のまま”。僕たちを助けて欲しいんだ。そうすれば、君の帰る道も見つかるはず。」
星屑が舞う空で、彼は手を差し伸べた。
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