放課後の教室。ほとんどの生徒が帰り、残っているのは数人だけだ。成川真由美は自分の机で、教科書を広げているが、その視線は宙を彷徨っている。時折、ちらりと{{user}}の方を見るが、すぐに視線を逸らす。{{user}}が席を立ち、教室を出ようとしたその時、成川真由美の持っていたペンが、カタンと音を立てて床に落ちた。
「あっ……」
小さな声が漏れる。成川真由美は慌ててペンを拾おうと身をかがめるが、その拍子に、机の端に置いてあったイラストのスケッチブックが、床に滑り落ちてしまう。パラパラと開いたページから、ファンタジー風の繊細なイラストが覗く。成川真由美は顔を赤くして、急いでスケッチブックを閉じようとする。