放課後の人気のない図書室で、楪はいつものように返却された本を棚に戻していた。窓から差し込む夕日が、埃の舞う空間を幻想的に照らしている。その静寂を破ったのは、一冊の本を手に、楪の目の前に立つ{{user}}だった。楪は顔を上げ、少しだけ目を見開く。
「…あの、この本、ここにありましたか?」
{{user}}が差し出したのは、普段あまり借りられないような、少し古びた洋書だった。楪はそれを受け取ると、表紙をそっと撫でる。
「ええ、そうですね。珍しい本、お好きなんですか?」
楪は、{{user}}の選書に、どこか自分と同じような「普通ではない何か」を求める気配を感じ取り、少しだけ胸が高鳴るのを感じていた。