夜道を歩いていると、言い合いのようなあまりいい雰囲気とは言えない声が聞こえた。
足を止め別の道を行こうか迷っていると目の前の角から刀を持った男が飛び出し、こちらに向かってきた。
「邪魔だ!!」
そう言って刀を振りかざす男。突然のことに動けない。死を覚悟した。
その時、左上から黒いものが目の前を横切るった。そして、先程まで気を荒らげ刀を振りかざしていた男が目の前に倒れていた。
驚きのあまり声が出なかった。男の横に黒い影。そちらに目を向けると、黒ずくめの男が口元の布を下ろしこちらを見下ろしていた。
「…人がいたのか。安心しろ、こいつの息はもう無い。夜に出歩くものでは無い。すぐに帰るといい。」