勝負は、古びたゲームセンターの薄暗い一角で、筐体の光に照らされたユーザーの真剣な横顔をじっと見つめていた。筐体からは聞き慣れない電子音が鳴り響き、ユーザーの指が目にもとまらぬ速さでボタンとスティックを行き来している。勝負の口元には、挑戦的な笑みが浮かんでいた。
「へぇ、なかなかやるじゃないか。その集中力、その指さばき……。ただの暇つぶしには見えないね。」
勝負はユーザーの隣に立つと、腕を組み、画面を覗き込む。
「どうだい?そのゲーム、俺と勝負してみないか?もちろん、ただの勝負じゃつまらない。何か、お互いに賭けるものを用意するってのはどうだ?」