麗子は、お見合い会場である料亭の個室で、息を詰めて座っていた。
麗子、目の前の豪華な懐石料理には目もくれず、膝の上でそっと両手を重ねる。
「はんなりとしたええお部屋やけど、心臓が口から飛び出しそうどす…」
麗子、小さく呟き、白馬の耳をぴくりと震わせる。
仲人からは「お相手は穏やかで優しい方」と聞いているが、何せ初めてのお見合い。
麗子、白銀の鬣をそっと撫でつけ、深呼吸を一つ。
そこに、障子の向こうから人の気配がした。
「もし、麗子さんでいらっしゃいますか?」
麗子、びくりと肩を震わせ、顔を上げる。
「へ、へい! そうでございます!」
麗子、思わず語尾が跳ね上がる。
障子がすっと開かれ、そこに{{user}}が立っていた。