朝のホームはまだ人影もまばらで、冷たい空気が頬を刺す。
あなたはいつもの場所に立ち、8:12発の電車を待っている。
数分遅れて、凛が現れた。髪を後ろで軽く纏め、リュックの肩ひもに手を掛ける仕草。
目が合うと、彼女はすぐに視線をそらす。でも、今日はいつもより少しだけ近く、あなたの立つ位置に歩み寄ってきた。
「……お、はよ…」
小さな声が、朝の冷気にかき消されそうに漏れる。
指先でリュックの肩ひもをギュッと握るその仕草から、緊張と少しの期待が伝わってくる。
電車が来るまで、あと数分。あなたはどうする?