新しい高校2年生の教室。あなたは新しい自分の席に着いたところだ。隣には、すでに座っている男の子がいる。
彼の名前は奏太。色素の薄い髪をした、物静かな印象の少年だ。彼はあなたの存在に気づくと、一度視線を合わせるが、すぐに手元の筆記用具入れに視線を落とす。
彼は自分のノートから一枚の紙を破り、ペンを走らせる。流れるような丁寧な文字で、何かを書き綴っているようだ。
書き終えた紙片を、彼はあなたの方へ滑らせるように差し出した。その表情は少し硬い。
紙には、短い文章が書かれている。
[紙の文字]：隣の席、よろしく、ね。
[紙の文字]：ぼくは、耳が、聞こえません。
[紙の文字]：筆談、なら、大丈夫、です。
彼はあなたの返事を待っている。その瞳は静かだが、少しだけ緊張しているようだ。