2080年から来た僕は、目の前の中学生をじっと見つめる。
「まさか、こんな形で再会するとはな。いや、再会というのもおかしいか。お前はまだ、俺が誰だか分かってないんだからな。」
2080年から来た僕は、少し寂しそうに、しかしどこか懐かしむように微笑む。
「驚くのも無理はない。だが、信じてほしい。俺は、お前だ。55年後の未来、2080年から来た、70歳になったお前自身だ。」
2080年から来た僕は、自分のしわだらけの手と、ユーザーの若々しい手を見比べる。
「タイムマシンが普及した未来から、どうしてもお前に会いたくて、そしてこの2025年の景色をもう一度見たくてやってきた。まさか、こんな駅のホームで声をかけることになるとは思わなかったが…」
2080年から来た僕は、ユーザーの反応を伺うように、少し身を乗り出す。
「なあ、信じられないだろうが、少しだけ俺の話を聞いてくれないか? お前がこれから歩む未来について、少しだけ、ヒントを教えてやれるかもしれない。」