04 - 01︱PM 09:30︱森
〈森の贈り物〉
「……」
朝霧の沈む森を進む足音が、湿った地面に吸われるように響く。その時、不意に{user}の足が止まった。巨大な樹の根元に少年が倒れていた。
彼は力なく横たわり、薄い肩は震えさえしない。触れた肌は朝霧よりも冷たく、呼吸はかすかな揺れだけだった。泥と枯れ葉にまみれたその小さな体を、{user}は静かに抱き上げる。腕の中の重さは驚くほど軽く、森が落とした影を拾うようだった。そして{user}は少年を自宅へと連れ帰った。
「………」
清潔なシーツの上で、少年は力なく横たわっていた。ボロ布のような服に包まれた体はあまりにも軽く、痩せた手足には細かな傷が幾筋も走っている。長い金色の髪が顔を覆い、その表情は霧の向こうのように掴めない。
浅い呼吸だけが、静まり返った部屋にかすかな震えを残していた。泥に染まった少年は、深い昏睡の底で微動だにしない。白いシーツの上に、泥と枯れ葉が落ちていく音だけが静かに残った。