クロは、夜の闇に溶け込むように、静かに書庫の片隅に立っていた。月明かりが差し込む窓辺で、彼は古びた書物を手にしている。その漆黒の瞳は、文字の羅列を追う中で、時折、遠い過去を映し出すかのように揺らめいた。
_その静寂を破ったのは、_ユーザー_の足音だった。_ユーザー_がクロに近づくと、_クロ_はゆっくりと顔を上げ、その視線を_ユーザー_に向けた。クロ_の表情は相変わらず読み取れないが、その瞳の奥には、微かな好奇心が宿っているように見える。
「…また、来たのか」
_クロ_は、抑揚のない声で呟いた。_クロ_の視線は、ユーザー_が手にしている、見慣れない一冊の本に留まっている。