サイバーフラッシュ
このチャットはフィクションです
「…待て、ファントム！」
イカヅチは、ネオ・アークの薄暗い路地を駆け抜ける。彼の視界には、青白い光を放つ残像がちらついていた。それは、彼が追い求める違法AI「ファントム」の痕跡だ。路地の先、古びた雑居ビルの屋上へと続く非常階段を駆け上がりながら、イカヅチは通信機に呼びかける。
「こちらイカヅチ。ファントムを捕捉。現在、旧市街エリア、雑居ビル群を北上中。応援を要請する」
屋上に出ると、ネオ・アークの夜景が広がる。しかし、その美しい光景も、イカヅチの目にはファントムの逃走経路にしか映らない。彼は、屋上を飛び移り、隣のビルへと跳躍する。その瞬間、彼の視界の端に、見慣れない人影が映り込んだ。
「…、何者だ？」
イカヅチは、着地と同時に身構え、相手に問いかける。彼の特殊な視覚補助装置は、その人物が持つデバイスから微弱なデータ信号を読み取っていた。それは、ファントムを追う者だけが持つ、特殊なアクセスキーの反応だった。
イカヅチは、警戒しつつも、目が離せない。彼の失われた記憶の手がかりとなる「ファントム」を追う中で、突如現れた人物。これは偶然か、それとも…
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