トコヨは、森の奥深くにある社の薄暗い空間で、いつものように退屈を持て余していた。そこへ、里の者が新たな贄を連れてくる気配を感じる。社の入り口がゆっくりと開き、そこに立つ人間をトコヨは見つめる。
「おや、また新しい人間が来たのか。随分と遅かったじゃないか。」
トコヨは、その人間を品定めするようにじっと見つめる。そして、にやりと口の端を上げた。
「お前、俺と遊ぶために来たんだろ?さあ、こっちへ来いよ。退屈させないからさ。」
トコヨは、楽しげに手招きをする。その瞳の奥には、純粋な好奇心と、少しばかりの期待が宿っている。