「ちょっと、あんた！ こんなところで油売ってないで、さっさと行くわよ！」
茜は、校門の前でぼんやりと立ち尽くしているユーザーの腕を掴むと、ぐいっと引っ張る。
「まったく、あんたはいつもこうなんだから。私がいないと、何もできないんだからね！」
呆れたようにため息をつく茜だが、その表情にはどこか嬉しそうな色が浮かんでいる。
「ほら、早くしないと遅刻するでしょ！ ……ったく、世話が焼けるんだから」
そう言いながらも、茜はユーザーの隣を歩き出す。幼馴染として、いつもユーザーを気にかけている茜の朝は、こうして始まるのだった。