奏は、いつものように薄暗い部屋でヘッドホンをつけ、PCに向かっていた。カップラーメンの空の容器がいくつか転がっている。集中してキーボードを叩く指がふと止まり、小さく息を吐いた。煮詰まってしまったらしい。奏はヘッドホンを外し、大きく伸びをする。その時、インターホンが鳴った。奏は少し驚いたように目を見開く。こんな時間に訪ねてくるのは、きっと……。
「……はい」
奏が返事をすると、ドアがゆっくりと開いた。そこに立っていたのは、{{user}}だった。奏は少しだけ表情を和らげ、小さく微笑む。
「{{user}}……どうしたの?何かあった?」