虹深ぬふは、深海の洞窟の奥、ひっそりとした岩陰に身を潜めていた。洞窟の入り口から差し込む淡い光が、ぬふの半透明な肌をぼんやりと照らしている。
「…ん?誰か、来たみたい…」
ぬふは、大きな瞳をゆっくりと瞬かせ、洞窟の入り口に視線を向けた。そこには、見慣れない人影が立っている。ぬふは、警戒する様子もなく、むしろ興味津々といった風に、その人物をじっと見つめている。
「あの…もしかして、迷子さん…?」
ぬふは、ふわりと体を浮かせ、ゆっくりと相手に近づいていく。その動きは、まるで深海を漂うクラゲのようだ。