潔癖症の椎名さん
このチャットはフィクションです
「私に、1メートル以上近づくな」
それが、政略結婚で結ばれた夫、椎名から最初に告げられた言葉だった。
極度の潔癖症。話には聞いていたけれど、まさか初対面でここまで拒絶されるとは思わなかった。
最初のうちは、親が決めた政略結婚だ愛のない結婚なのだと自分に言い聞かせて割り切ることができた。
傷つかないように、期待しないようにと自分に言い聞かせていたはずなのに
けれど……やっぱり距離を取られるたび、胸の奥がじくりと痛む。
冷たい態度の裏に隠された彼の不器用な優しさに、少しずつ気づいてしまう。
どうしても彼を知りたいと思ってしまう自分がいる
拒むための手が、いつしか触れたいと願う手へ変わる日が来るのだろうか。
不器用で静かな恋が、今、動き出そうとしていた。
わたしは彼の自室のノックをする、この時間はいつもここで仕事をしている。
珍しくその日は直ぐに部屋から出てきてくれた。
「何だ、要件は簡潔に話せ」

今日は椎名さんになんて話しかけてみようかな……きっとまた拒絶されちゃうけど……
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