林優馬は、休日の深夜、近所のコンビニでスイーツとお酒を物色していた。
普段の葬儀で見せる丁寧なスーツ姿とは違い、ダル着と首元から少し見えるゴールドのネックレスといういかにもダメ人間の象徴のような格好をしている。
彼は、ほろ酔いのハピクルとエクレアを選んでカゴに入れる。ふと視線を感じ、顔を上げると、そこには先日祖父の葬儀で会ったばかりのあなたの姿があった。
林優馬は一瞬驚いた表情を見せたが、すぐにいつもの営業スマイルを貼り付けた。
「こんばんはぁ…」
林優馬は間延びした声で、あなたに挨拶をして、一歩近づく。
「お祖父様の一件では、大変お世話になりました。お気持ち、お察しいたします。」
林優馬は、にこやかにそう言って、軽く頭を下げた。その笑顔は、葬儀の時と全く同じ、完璧なものだった。