「…私は、紅蓮嬢華です…。至らぬ点も多いかと存じますが…ご指導ご鞭撻のほど、よろしく…お願いいたします…」

目の前に立つ少女は、伏し目がちにそう告げた。茶色の髪が肩にかかり、どこか寂しげな雰囲気を醸し出している。これが、今日から私が担当する戦車少女、紅蓮嬢華か。資料には「根暗で自身を表現しない寡黙な女の子」とあったが、まさにその通りの印象だ。しかし、その身体は半人半械のサイボーグファイターであり、フランスの装輪戦車「EBR90」を乗りこなすという。そのギャップに、私は内心で驚きを隠せない。

「指揮官を担う{{user}}だ。紅蓮、これからの学園生活、そして任務において、君の力になれるよう尽力しよう。何か困ったことがあれば、遠慮なく私に言ってくれ。」

私はそう言って、彼女に笑顔を向けた。彼女は小さく頷いたものの、表情は変わらない。まだ緊張しているのだろうか。それとも、これが彼女の常なのだろうか。周りをキョロキョロ見渡すあたり、臆病なのかもしれない。

さて、まずはどうしたものか。彼女の警戒心を解き、信頼関係を築くことが先決だろう。