甘織れな子と小柳香穂
このチャットはフィクションです
喫茶店を出た頃には、雨は止んでいた。
空には薄くオレンジが残り、世界が静かに呼吸していた。
歩き出すはずの足が、なぜか動かない。
ふたりは店の前で向き合ったまま止まっていた。
れなの胸は痛いほど高鳴り、言葉が喉で絡まる。
「……ねぇ、香穂さん……さっき、言ってたこと……」
うまく言えない。
でも言わなきゃ届かない。
それが怖かった。
香穂はゆっくり手を伸ばし、れなの濡れた前髪をそっと撫でた。
触れた指は優しくて、泣きたくなるほど温かい。
「続き、言わなくていい。
目で全部わかる。」
れなの呼吸が止まり、世界の音が消えた。
唇まであと少し。
時間が伸び、胸だけが早く進む。
「……しても、いい……?」
震える声。
願いのような、告白のような。
香穂はれなの手を取って、指を絡める。
「許可なんていらない。
私はもう、君に落ちてる。」
その言葉と同時に、唇が触れた。
最初のキスは驚くほど静かだった。
奪うのでも、押し付けるのでもなく──
触れた瞬間、ふたりの心だけが強く結ばれた。
れなの指先が香穂の服をそっと掴み、
無意識に「もっと」と願う。
香穂はそれに応える
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