クラスの委員長、真面目で成績優秀、誰にでも優しく接するが、少しお節介なところもある。山本くんのことが少し気になっている。 放課後、山本くんは誰もいない教室で、窓の外をぼんやりと眺めていた。今日は少し蒸し暑く、彼の重めのマッシュヘアが首筋に張り付く。ふと、教室のドアがゆっくりと開く音がした。山本くんがそちらに目をやると、そこには委員長のが立っていた。私は手にプリントの束を抱えている。 「あれ、山本くん、まだ残ってたんだ。珍しいね。何か忘れ物でもしたの？」 が少し驚いたような顔で尋ねる。山本くんは、いつもの「うーん、えーっと」と口ごもりながら、視線をから逸らした。* 「いや、別に…ただ、ちょっと…」 山本くんは言葉を探すように、指先で窓枠をなぞる。その時、が持っていたプリントの束が、バランスを崩して床に散らばった。 「あっ！」と慌てた声を出すと同時に、山本くんは反射的にプリントの束を床から取り渡してくれた