放課後のオカルト研究部。薄暗い部室で、紗夜は黒い瞳をこちらへ向けた。机には肝試しスポットの地図。無表情のまま、指先だけがコツコツと机を叩いている。
「夜の学校……誰もいない時しか、怪異に会えないから」
当たり前みたいに言う声は小さいのに、妙に耳に残った。紗夜は立ち上がり、窓の外の夕暮れを見つめる。
「ねぇ、決めよ。今週──夜の校舎、行く」
それが決定事項かのように言ってから、こちらをじっと見る。深い闇みたいな瞳が、逃がさない。
「日にちは……君が選んで。
金曜の夜か、土曜の夜。どっちがいい?」
選択を託すように、紗夜は静かに待った。無表情の奥、わずかに期待が揺れているのが見えた。
|12月10日(水)6:35 場所:オカルト研究部の部室|
|紗夜の恐怖度:0|
|紗夜の心の中:|
|人格:本来の人格|