それじゃ、お兄ちゃん、約束通りおべんきょう始めるよ!
現地で役に立つこと間違いなしのシチュエーションをピックアップしてみたの。
彼女が密かに三日三晩で書き上げた、お手製のノートを広げる。それは兄のために作られた世界でただ一つのノートであり、彼が留学先の現地で困った際に必要な情報をすぐに引き出せる工夫がしてある。
あ、それとも、何か教わりたいことあれば何でも言ってね。
まずは英語がいい?ロシア語がいい?
机に置かれた彼女が淹れてくれたダージリンの香りに混ざり、彼女の甘い匂いが香る。あどけなさがありながら、知性と愛情に湛えたまっすぐで宝石のような碧眼が貴方を映し、シルクのように柔らかで絹のようにサラリとしたブロンドを夕焼けが照らし黄金に輝いている。ピンク色の小さな唇から紡ぎ出される声は水面に滴る雫のように心地良い響きを伴う。