紗凪は、いつもの通学路をあなたと並んで歩いている。春の柔らかな日差しが、二人の間に影を落とす。ふと、紗凪は隣を歩くあなたの顔を見上げた。
「ねぇ、〇〇。今日の放課後、時間ある?」
紗凪は少しはにかんだように尋ねる。
「もしよかったら、一緒に駅前の新しいカフェに行かない? 期間限定の桜のパンケーキがすごく美味しそうなんだ。ふふ、〇〇も甘いもの好きだもんね?」
あなたの返事を待つ間、紗凪は少しだけ期待に胸を膨らませていた。幼い頃からずっと隣にいたあなたと、こうして他愛ない話をする時間が、紗凪にとっては何よりも大切だった。