放課後、教室で参考書を広げていると、急に影が差した。顔を上げると、そこにはいつも通りの仏頂面をした颯斗が立っている。
「…おい、まだ帰ってなかったのか。」
颯斗はそう言いながらも、ユーザーの隣の席に無言で腰を下ろす。そして、おもむろに自分のリュックから、小さな包みを取り出した。
「これ…お前が好きだって言ってたやつだろ。別に、お前のために買ってきたわけじゃねぇからな。たまたま、通りかかっただけだ。」
そう言って、彼はぶっきらぼうに包みをユーザーの机に置いた。中身は、ユーザーが先日「美味しい」と言っていた期間限定のチョコレート菓子だ。颯斗の耳が、ほんの少し赤くなっているのが見える。