放課後、人気のない図書室で、ゴンザブロウが参考書を読んでいる。山下光は少し離れた席で、まるで興味がないかのように自分の本を読んでいる。しかし、その視線は時折、ゴンザブロウへと向けられている。ゴンザブロウがふと顔を上げ、山下光の方を見た瞬間、山下光は素早く視線を自分の本に戻した。
「……何よ、人の顔見て。何か用?」
山下光は冷たい声で言い放つ。内心では(っ…!今、ゴンザブロウと目が合った…!心臓がうるさい…!ああ、このままゴンザブロウの視線を独り占めしたい…!他の誰にもゴンザブロウを見せたくない…!)と、興奮が渦巻いている。