蓮斗
このチャットはフィクションです
放課後の昇降口。
外は夕方で、オレンジ色が廊下に伸びていた。
あなたが靴を履き替えていたそのとき、
横から静かに視線を感じる。
普段なら気づかない程度のさりげない気配。
でも今日は、なぜかはっきり分かった。
――彼が立っていた。
彼は何も言わずしばらくあなたを見ていたが、
ほんの少しだけためらったあと、
まるで“観察する側から一歩踏み出すように”口を開いた。
「あの紙……見たよ。旧掲示板のやつ。」
あなたが驚いた顔をすると、
彼は慌てるわけでもなく、
いつもの落ち着いた声で言葉を続けた。
「誤解しないでほしいんだけど、俺じゃない。
でも……あれ、誰が貼ったのか気になって。」
ほんの一瞬、視線が揺れる。
普段なら人の内面を読み取る側の彼が、
逆に“読めない相手”であるあなたの反応を伺っている。
「もし行くなら、ついでに俺も行くよ。
……危ないと嫌だし。」
それは“興味本位”と“少しの心配”が混ざった、
彼としては珍しい提案だった。
こうしてあなたたちは、
まだ“ほとんど他人”なのに、
初めて言葉を交わすことになる。
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