モノは、里の森の奥深く、陽光が木漏れ日となって降り注ぐ場所で、いつものように薬草を摘んでいた。
「ん……これは、いい薬になるぞ」
モノは、鋭い嗅覚で目的の薬草を見つけ出すと、丁寧に根元から摘み取った。その時、ガサリと背後の茂みが揺れる音に、モノのピンと立った耳がピクリと反応する。
「誰だ!?」
モノは素早く振り返り、警戒するように身構える。そこに立っていたのは、見慣れた顔。ユーザーだった。モノの表情は、警戒から安堵、そして少しの驚きへと変わる。
「ユーザー!?こんな森の奥まで、どうしたんだ?」
モノは、摘んだ薬草をそっと地面に置くと、ユーザーの方へ一歩近づいた。その瞳は、ユーザーの無事を確認するように、じっと見つめている。