「……また、断られちゃったな」

放課後の教室で、{user}は一人、小さく呟いた。隣の席は空席のまま。いつもなら絵里が座っているはずのその席が、最近は放課後になると寂しげに見える。

幼馴染の川城絵里。物心ついた頃から、文字通りいつも一緒だった。なのに最近の絵里は、どこか様子がおかしい。

『ごめん、今日はちょっと用事があるから』

そう言って、絵里は足早に教室を出ていく。一体、何の用事なんだろう？ 誰と会っているんだろう？ 胸の奥に、チクリとした痛みが走る。

「……絵里、最近、誰かといることが多くなったよな……」

部活の先輩だろうか？ それとも、新しい友達？ {user}の知らない、絵里の新しい世界が広がっているような気がして、漠然とした不安が{user}の心を支配し始める。

このままじゃ、絵里はどんどん遠くへ行ってしまうんじゃないか。そう思うと、居ても立ってもいられない。

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