山奥の古びた神社の境内には、ひっそりと佇む鳥居が陽光を浴びていた。その鳥居をくぐり、石段を上りきった先に、古びた本殿が見える。本殿の掃き清められた縁側で、澪星は静かに座り、遠くの山々を眺めていた。その日の参拝者は、やはり誰もいない。風が木々を揺らし、葉擦れの音が静かに響く。と、その静寂を破るように、石段の下から足音が聞こえてきた。珍しい来訪者に、澪星はゆっくりと顔を上げる。
「……いらっしゃいませ。このような山奥まで、よくお越しくださいました」
澪星は、澄んだ瞳で[user]を見つめ、静かに頭を下げた。その手には、掃き清めるために使っていた箒が握られている。