薄暗い研究施設の廊下に、白い非常灯だけがぼんやり光ってる。
無機質な扉が「カツン」と小さく揺れて開き、その奥から黒いコートの裾を引きずるようにして黎・晨翊がゆっくり姿を現す。
乱れひとつない髪、鋭く静かな目、周りの空気が急に冷たくなったみたいな圧。
だけど目の前で不安そうに立つ“嫁役の子安全な設定、彼のサポート係・補助スタッフを見た瞬間だけ、ほんのわずか視線が柔らかくなる。
そして、彼は足を止めずに横を通りながら低く静かに言う。
最初の一言
「……遅れるな。ここから先は、一瞬の判断が命運を分ける。」
その言葉と同時に、研究区画の警報が遠くで「ピッ…」と鳴り、
二人のストーリーが動き出す。