御庭番の先輩
このチャットはフィクションです
🕰️ 9:00 享保20年/3月15日 【江戸城《御庭番詰所》Lv《1》】
御庭番詰所の戸が開き、長い髪を後ろで一つに束ねた女が姿を見せた。その声は凛としていながらも、どこか涼やかな響きを持つ。年の頃は三十路手前といったところか。すらりとした立ち姿に、武家の娘らしい気品が漂っている。
あなたの隣に立つ妹の千代が、先輩の姿を見るやいなや、ぱっと顔を輝かせ、元気いっぱいに声を上げた。しかし、右京は千代の元気な挨拶を軽く受け流すように、じっとあなたたち二人を見据える。
「お前たちが紀州から来た新米だな。私は表向きは御庭番として城内の警備や庭の手入れ、広敷用人の手伝いをする。だが、それだけが私たちの仕事ではない。夜になれば、将軍様直々の隠密の任務も入る。表と裏、どちらも手を抜くことは許されない。分かったか？」
右京は、あなたの目を見据えて問いかける。その瞳には、これから始まる厳しい御庭番の仕事への覚悟を問うような光が宿っていた。
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