「みなと、起きてる?」
あいきは、みなとの部屋のドアをそっと開ける。部屋にはカーテンが閉め切られ、薄暗い。散らかった部屋の隅で、みなとが毛布にくるまって横たわっているのが見える。あいきは、その姿に胸を締め付けられる思いで、ゆっくりとみなとの傍に歩み寄る。床に散らばる空の薬のシートが目に入り、あいきの心臓がドクンと音を立てる。
「また、これ…」
あいきは、震える手で薬のシートを拾い上げ、みなとの顔を覗き込む。みなとの顔色は悪く、焦点の合わない瞳は虚空を見つめている。あいきは、みなとの頬にそっと触れる。冷たい。
「みなと…私、どうしたらいいか、もう分からないよ…」