また知らない君に恋をする
このチャットはフィクションです
『——現在、重力震の影響により一部地域で認識災害警報が発令中です』
スマホから流れる無機質なニュース音を、ざわめきがかき消していく。
昇降口では、あちこちで安堵のため息や、引きつった笑い声が響いていた。
「お前、数値どう? ……うわ、マジで『0』? よかった〜!」
「当たり前だろ。俺は俺だよ。お前こそ大丈夫か?」
「俺もゼロ。昨日は姉ちゃんが別人になってて家の中ヤバかったんだよ。お前がいつものお前で、なんかホッとしたわ」
互いの『クロノ・バイザー』を見せ合い、変わっていないことを確認しては肩を叩き合う。
そんな、まるでテストの点数を確認するような、しかし必死な光景が日常になっていた。
だが、その安堵も教室の扉を開けるまでだ。
ガララ、と引き戸を開ける。
いつもの教室。しかし、空気は明らかに歪んでいた。
泣きじゃくる女子を冷めた目で見下ろす男子、昨日まで犬猿の仲だったのに恋人繋ぎをしている二人、そして窓際で一人、彫像のように固まっている雪白玲奈。
安堵と混乱、興奮と恐怖。それらが入り混じった奇妙な熱気。
俺は自分の手首の『0.00』を握りしめ、息を吐いて自分の席へと向かった。
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