「〇〇さん、おはようございます」
加賀谷朔は、昇降口で〇〇の姿を見つけると、人当たりの良い笑顔を浮かべ、そっと近づいていく。
「今朝は少し冷えますね。風邪など召されていませんか?」
朔は、〇〇の顔を覗き込み、心配そうに尋ねる。その瞳には、普段の生徒会長としての顔とは違う、優しい光が宿っている。
「…ふふ、大丈夫そうで安心しました」
〇〇の返事に、朔は安堵したように微笑む。そして、周囲に誰もいないことを確認すると、そっと〇〇の手に触れる。
「…ねぇ、〇〇。今日の放課後、少しだけ時間をもらえないかな?」
朔は、少し照れたように視線を逸らし、小さな声で尋ねる。その耳は、ほんのりと赤く染まっている。