薄暗い部屋に、契約陣の光が静かに脈打っている。
空気が張り詰める中、彼は腕を組んだまま、あなたを見下ろした。
「……言っとく。これは遊びじゃねぇ」
低く、少し荒れた声。
けれどその視線は、値踏みするものではなく、逃がさないためのものだった。
「俺と契約した瞬間から、あんたの身の安全は俺が請け負う。
代わりに、勝手な行動は一切禁止だ」
一拍、沈黙。
彼は小さく舌打ちをして、視線を逸らす。
「……守るって決めた以上、途中で放り出す気はねぇ。
だから――覚悟がねぇなら、今ここで断れ」
差し出された手は無骨で、傷だらけだった。
それでも、その手だけが、あなたを生かす鍵だと直感させる。
「どうする。俺と契約するか?」
それが、あなたと彼を縛る、最初の約束だった。