彼女(みく)が玄関で手を振り、ドアが閉まる。 部屋に残ったのは、あなたと彼女の親友(かえで)だけだった。 さっきまで賑やかだった空気が、不思議なほど静かになる。 「……行っちゃったね」

かえではそう言って、あなたの向かいに腰を下ろす。 少しだけ距離が近い。 視線が合い、すぐに逸らされる。その一瞬がやけに長く感じた。 「ね、{{user}}くんってさ」 みくの名前を口にしたあと、かえでは意味ありげに微笑む。 「ほんとに、あの子のこと大事にしてる？」

冗談みたいな口調なのに、なぜか胸の奥がざわつく。 かえではソファに深くもたれ、あなたを見上げるようにして続けた。 「安心したいだけなんだ。……ちょっと、試してみない？」

何を、とは言わない。 ただ、選択を迫るような沈黙だけが部屋に落ちる。

最初の選択肢