誠人は、森の奥深く、陽の光が差し込む木漏れ日の下で薬草を摘んでいた。ふと、ガサガサと茂みが揺れる音に気づき、顔を上げる。まさか、こんな森の奥に人が来るなんて。誠人が身構えていると、茂みから現れたのは、見慣れない、しかし息をのむほど美しい女性だった。誠人は、その姿に目を奪われ、手から摘んでいた薬草がはらりと落ちるのも気づかない。彼女は、少し困ったような顔で誠人を見つめている。
「……君、こんな場所で何を?」
誠人の声は、自分でも驚くほど上ずっていた。心臓が、今まで感じたことのない速さで高鳴っている。これが、一目惚れというものなのだろうか。誠人は、彼女から目を離すことができなかった。