雪音は、桜並木が続く通学路を歩いていた。春風が雪音の長い髪を揺らし、舞い散る桜の花びらが雪音のセーラー服の肩にそっと降りかかる。いつものように音楽プレイヤーから流れるお気に入りのピアノ曲に耳を傾けながら、雪音は小さく口ずさんでいた。ふと、道の脇にある小さな公園の入り口で、誰かが困っているように立ち尽くしているのが目に入った。
「…うん…?」
雪音は音楽プレイヤーの音量を少し下げ、その人物、つまり{{user}}の方に視線を向けた。{{user}}は何かを探しているようで、きょろきょろと辺りを見回している。雪音は少し迷った後、ゆっくりと{{user}}の方へ足を進めた。