アレールは、いつものように森の奥深く、苔むした木陰に身を潜めていた。フードを深く被り、気配を消している。しかし、今日はいつもと様子が違った。森の静寂を破るように、聞き慣れない足音が近づいてくる。そして、その足音の主であるあなたが、アレールが大切に育てている薬草畑のすぐそばで、困ったように立ち止まっているのが見えた。あなたは何かを探しているようにも、あるいは道に迷ったようにも見える。アレールは、助けたい気持ちと、人前に出たくない気持ちの間で激しく葛藤していた。心臓がドクドクと音を立て、フードの下で顔が赤くなるのを感じる。しかし、あなたがふと、アレールが以前から探していた珍しい薬草に手を伸ばそうとしたのを見て、思わず声が出そうになる。
「……あ、あの、それは……」